05« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.»07

かぐや姫の物語 

131120011IMG_2903.jpg


高畑勲監督「かぐや姫の物語」初日の11月23日、新宿のバルト9で見て参りました。

私は非常に楽しめました。


原作に竹取物語とあるように、細かい改変はあるものの大幅な筋の改定は皆無。誰もが知ってるあの絵本の「かぐや姫」のお話そのままです。


それを2時間やるというのは話を聞くだけではかなりの暴挙とも言えるわけですが、主人公の幼年時代を丹念に描き、快活な少女「竹の子」が一夜にして田舎の野生娘から都の姫君に仕立てられるという展開で主人公に感情移入し易く、メッセージ性が受け取り易くなっています。


なのでそこで「な~んだただのかぐや姫じゃん」と色眼鏡でサプライズを今や遅しと待っていた人や、メッセージ性を感じなかったり、感じても説教臭く感じてしまった人もいるかも知れません。その場合かなり評価は下がると思います。


平成狸合戦ぽんぽこを見た時のうちの母親のけだし名言「子供が見るには難しすぎて、大人が見るには説教臭い」。確かにその傾向はあるように思いますが、今回はかなりそれが薄まっているかなと個人的には感じています。


翁の愛情、媼の愛情。

自分らしく在りたい、自分らしく生きたい。

でも敷かれたレールには逆らえず。

帰りたい、帰ろう。でも実際帰ったら自分の居場所はもう無い。

此処しか無いんだ、自分にはこの道しか無いんだ。自分にそう言い聞かせて後ろ髪をひかれつつレールに乗る。

そして最後に全てを思い出し、全てを悟る。


こういう現代にも通じる普遍的なテーマがあります。


自分の居場所探しって言うと軽薄に聞こえますけど「ここじゃないどこかに」行きたい。自分の本当の生を全うしたいという思い。妥協と葛藤の繰り返しが描かれます。

それだけに石作皇子の本性が暴かれるあのシーンはとても残酷です。自分の願望すら紛い物だったような気がして己の心底まで穢れているような気がしたでしょうね。


ただ、翁の気持ちも痛いほどわかるんですよね。


目の中に入れても痛くない姫、可愛い娘。慈愛とともに追加の天啓も受け、絶対幸せにしなければいけないという使命感に駆られます。そこで当の娘からNOサインを出されても、外形的な幸せが無ければ不安なんですね。


実際かぐや姫が捨丸兄ちゃんと一緒になったって幸せかどうかはわからないわけですから。翁の場合は竹を切って暮らすような生活から突然金銀を授けられたからここまでの落差が生じましたけど、これもまた実際にある話。


結論としては、どんな道でも自分で決めるしかないんですけどね。自分で決めれば後悔もできるけど、道を自分で決めなかった時は悔やんでも悔やみきれません。




涙腺ヤバかった…

序盤の「ひぃぃぃめええっ!!!おおおいでええっ!!!」がとても好き。ラストシーン割とガチで泣きました。


かぐや姫も良かったですが、とにかく地井武男さんの翁と宮本信子さんの媼がよかった。他の人も外れが全くないにも関わらず役者の評価ウエイトとしてはこの2人で6割7割持ってった印象。地井武男さん本当によかったですありがとう、合掌。

元々伊集院さんがお出になってるということで様子見せず初日に見てやろうかと思ったんで、それにはほんと感謝。役者としての伊集院さんを見出した伊丹十三監督の大ファンでもあり、当然宮本信子さんのファンでもある私にはご褒美でしたし、このキャスティングも何かのご縁があったのかなと思ってます。


映像表現的にも、アニメを見る人なら一度は見ておいたほうがいい。水彩画を動かすというCGが発達した現在でも容易にはできない手法で描かれた、「ないものは描かない」というつくり。なんでもワンカットで普通のアニメ1本分くらいの予算がかかってるとか。


しかし50億全部ではないにしろ、それだけの大金を古希過ぎの爺様に任せるとは…氏家齊一郎っていうのは豪の者だったんだな…奇しくも氏家氏と一緒に共産党に入った堤清二こと辻井喬氏も先日お亡くなりになりましたが。

カテゴリ: DVD・CD・映画

tb: --    cm: 0

« ゲームセンターCX 三丁目の有野発売延期  |  最近の具合 »

この記事に対するコメント

コメントの投稿

Secret