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大奥第9巻 


大奥 第9巻 (ジェッツコミックス)大奥 第9巻 (ジェッツコミックス)
(2012/12/03)
よしなが ふみ

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徳川吉宗の時代は去り、家治政権下田沼意次と松平定信の時代へ。

綱吉政権下浅野長矩と吉良義央の時にも思いましたが、違和感が無い。


どう違和感が無いかというと人物があんな感じなんだろうなと。
勿論女性と男性の違いはありますが、田沼意次は英明闊達かつ雄興で、偏見を持たない自由主義者。松平定信はプライドが高く自己正当化の激しい人間で、好きな人は自分の中でどんどん神聖化し、嫌いな人間はあることないことこれもまた自分の中で「こんな噂があるらしい→あの憎らしい、穢らわしい輩だからだからきっとそうに違いない→以下ループ」という愚考を勝手に繰り返すストーカータイプ。

多分実際もこんな感じだったんだろうなと想像するわけです。

松平定信と徳川宗武も吉宗に似てるんですよね。悪いところが。
吉宗は名君だと言う人がいて、実際有能な行政官ではあるんですが名政治家ではなかったというのが私の評価。その端的な証拠が対徳川宗春で見せた粘着っぷり。

確かに宗春は商業を重視した規制緩和策を採ったのに、商人から冥加(税金)を取らないという財源の裏付けの無い行動に出た為に自爆しましたが、基本的な考えとしては間違って無いわけです。
そこで何をしたかというと宗春に終生蟄居を申し付け、一旦尾張藩を召し上げた上で改めて徳川宗勝に与え、御三卿を設立して自分が中興の祖となったわけです。自分の血筋に拘る名君って…ねぇ?しかも尾張藩は幕府を恐れて幕末まで宗春の墓に金網を被せる始末。自発的とはいえ明らかに吉宗の粘着質な資質の一旦が垣間見えます。

まだ先の話になりますが、側用人として権力を恣(ほしいまま)にした柳沢吉保、間部詮房ともに政権からは追放されたものの大名としては存続したわけですが、田沼意次は相良城を取り壊されるという憂き目に遭うわけで、粘着質な部分が似てると感じるわけです。

吉宗と似てると思うのが、橋下徹大阪市長。
非常に有能な行政官ですが、定見が無い。

家治暗愚説の根拠となっているのが第一点に田沼意次を重用したこと、第二点に政治に直接の関心を抱かなかったこととされていますが、第一点の田沼意次重用が間違っていたとは私は思いませんし、第二点の直接的に参与しなかった点というのも、橋下市長が言うように「政治家は大局を示せばいい。細かいところは事務方が詰めればいい」。私はこの考え自体は大いに結構だと思います。

為政者(将軍、今の時代における政治家)が知識を持たなくてはいけない理由としては、行政官(幕閣、今の時代の官僚)が個人益、一部団体の益を考え始めた場合にそれに対抗できるような定見と知識を持ち合わせていなければならないということです。
その点家治は特に騙されたとか謀られたということもなく、田沼意次が自由に力を発揮した時点で二点目の批判というのも当たらないと考えます。田沼が商人に冥加を課した時点で、新しい頭の持ち主であることは明らかなのですから。

予断ですが松平定信も失脚後は白河藩政に注力し名君と謳われたようです。橋下市長も大阪に留まってくれると非常に有難いのですが…


そろそろ物語も佳境でしょう。何と言っても『大奥』がかくの如き世界になったのは偏に赤面疱瘡という病のせい。それをどう克服していくのか。元来熊の持つ業病であることを明らかにしつつある平賀源内や青沼がどう活躍していくのか、次巻以降に期待。



田沼様に口を吸われたい(笑)

カテゴリ: 読書、漫画

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