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アウトレイジビヨンド 

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昨日北野武監督のアウトレイジビヨンドを見てきました。一言で言うと北野武版「蜘蛛の糸」。

前作が、Vシネ等の任侠モノにある義理人情のようなものを一切排してバリエーション豊かな暴力、暴力、また暴力というものを介してケレン味を楽しむ作品だったのに対し、今回は多少鳴りを潜めています。

勿論映画館で見ると音のせいもあって凄く迫力あるんですけど基本銃殺で、例えば撲殺にしても殴ってるシーンは見せなかったりします。バリエーションも前作よりはぐっと控えめ。前作だとやっぱり印象に残ってるのは石橋蓮司さんの「歯医者」、國村隼さんの「舌出せ」、椎名桔平さんのなどでした。爆殺もありましたね。今回はそれっぽいのは加瀬亮さんのアレのみ。というか言いますけどあれダンガンロンパで見たことあるぞ(笑)。電気ドリルは被せ物してあるし。

代わりに軸になるのが這い上がろうとする男、もしくは這い上がった男がカンダタのように堕ちる様。上昇志向にある人間が悉くみっともなく、無様に死んでいきますが、これはこれで一貫してますし、美学があります。
主役は間違いなく小日向文世さん扮する片岡刑事だった気がします。主役というか元凶。こいつは間接的に何人殺したんでしょうか。対照的なのが常に冷水を浴びせ続ける部下の松重豊さん。「俺は一生ヒラでいいですよ」という台詞が象徴的。


ただ、先程書いた「暴力を介してのケレン味」もそうですが今回のも単純な活劇ではなく一捻りしてある作品なので、おそらく何回か見ないと良さは判りづらいのではないでしょうか。私もこう思ったのは新宿のバルト9から帰る途中に思い返していてでした。最後のシーンは衝撃的でしたが「え?終わり?」と思ったのも確か。

事実私も、最初にアウトレイジを見た際にはこのように書いており、良さが判り始めたのは3回目以降ですね。今回北野武監督はニコ生やいいとも等かなり番宣にお力を入れてらっしゃるので相当気合入ってるのはわかりますし
私もヒットを願っていますが、わかりやすい作品かと言われれば否だと思うので興行成績がどうなるのかは気になるところです。


前作の「全員悪人」からの「全員悪人、完結」でしたが今回大友一派からその悪人オーラを感じることができません。中野さんのお付き2人は実際いたら嫌ですがヤンチャしてるだけですし、大友に手を貸す韓国人フィクサー一派はどうみても善寄りですし。あの刺青を見せた女のくだりは必要だったのか。

「悪」をひしひしと感じるのが花菱会一派ですが、正直堅気でも大人の世界ならあのくらいはねぇ…海千山千のおっさんならあのくらいはあるだろと。徹頭徹尾「弱みを見せたら徹底的に付け込む」「口では巧いこと言っても無償で人なんか救わない」「面子と格を交渉道具に相手を呑む」。ココらへんも一貫してて魅力のひとつになってます。

追われ、血を流し、屈服する山王会と、追い、恫喝し、屈服させる花菱会という役割分担が為されていましたが
できれば花菱のほうで血が流れる様というのも見てみたかったです。

映画の纏まり、出来としては前作のほうが上です。

キャストの力が大きかったかなと思います。白竜さんの朝鮮語、松重豊さんの怒声とドツキ、悪い神山繁さんや西田敏行さんなど俺得には違いなかったですし、中野英雄さんの出番が多かっただけで個人的には満足です。
加瀬亮さんが単なるキレ芸の人になってたのがちょっと残念。もうちょっとインテリっぽいとこを見せてくれればより嫌味なやつになったのに。ワンフレーズでもいいから英語使うとか。
演技面随一は塩見三省さんかな。西田敏行が隣にいるのに喰われるどころか逆に喰ってるのは恐ろしい。

カテゴリ: DVD・CD・映画

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