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Annie(2014年版) 




ジェイミー・フォックス、クワベンジャネ・ウォレス主演、ウィル・グラック監督『ANNIE』観てきました。


1982年版が大好きで、日本でも丸美屋がスポンサードしてからは行ってませんが明治生命時代に4~5回ほど青山劇場に行ったことがあります。


今回は舞台設定が現代ということで大幅な改変が行われてます。


*大富豪ウォーバックスではなく、ベンジャミン・スタックス(ジェイミー・フォックス)という黒人で人格に割と問題のある携帯会社のCEO。市長選に出馬しようとしている。

*アニーが栗毛の白人でなく黒人。孤児院ではなく里親制度の元に居て学校にも通っている。ハニガンは夢敗れた歌手で、補助金目当てにアニーの他に5人の里子を預かっている。


挙げればきりがないのでこのくらいにします。



設定を現代にするのは悪い試みではありませんし、現代にそのまま1930年当時の設定を持ってきても仕方がないので改変するのも構いません。

ただ、問題はそれがミュージカルの良さにあまり結びついてないということです。



当たり前ですがこの舞台でも映画でも傑作とされている所以は、はっきり言って曲の良さが7割8割と言っても過言ではありません。

名曲中の名曲、It's a hard knock life。前半の見せ場ですが、youtubeにどちらもあったので挙げますが











見れば一目瞭然ですが、設定改変がモロに裏目に出てる。唄は巧いしカット割りまくってよく見せようとはしているんだけど、いかんせん5人でこれ唄うのは物悲しい。皿投げたりするのとか82年版へのオマージュみたいなのもあるのはいいけど…

ミュージカルってやはり大人数で唄ってこそだと思うのですが。素直に児童養護施設にしといたほうがよかったのでは。




これはまだ頑張ってるほうで、もっと問題なのがI Think I'm Gonna Like It Here






2014年版はここ


スタックスが人嫌いで高層ビル上層のペントハウスに住んでいるという設定にしたせいで、結果これを唄うのがアニーとグレースと、なぜか居る福祉のおばさん(完全に要らないキャラ)。

テンションを無理やり上げてるようにみえるのも切ないし、何ならモノで釣られて喜んでる風にも見える。それに何より我々が見ても、豪邸は素直に羨望の対象だけどああいうメカに囲まれてもああそう・・・としか思えない。

底抜けに明るいアニーが、使用人から受け入れられていくというシーンなんだけど、まあ…元々このアニーはそういうキャラ造形になってないのか。



どちらにせよちっとも楽しくなかったです。そう、このシーンだけじゃなくて根本的に「こう来るか」という感心はしても、それが楽しさに結びついてない


それはおそらく、アニーが天真爛漫に根アカで前向き、というキャラではないからなんでしょうね。そうなってしまうと話に説得力がない。



悪は悪で、これまたピントがボケてる。

ルースター&リリーとハニガンははっきりとしたくすぶりクズで、話が解りやすい。


今回の主犯(?)の選挙参謀は基本的に職務には忠実であるというのが一点。殆どコミュ障と言っていいスタックスをなんとか当選させようと努力してます。参謀としては何も間違っていないし、アニーとスタックスを結びつけたのもこの選挙参謀です。そういう意味で「ワル」さは格段に薄まっている。


そして悪巧みをする根拠も薄い。ルースターみたいなゴロツキが一攫千金を狙うのはわかりますが、参謀氏は既にスタックスから充分な金を貰っているとちゃんと劇中で述べています。わざわざリスクを負う理由が謎。今回はハニガンと姉弟でないですが、ハニガン改心のポイントもなんだか…唄を陰褒めされたからって即改心っていうのもなんか。で、しかもこの新曲が全く毛色が違ってて浮きまくり。ブンジャフにあたる黒人の人も最終的に役に立ってるんだか立ってないんだか。


最後のTwitterで居場所追っていくのは良かったけど、偽親が企みの主犯で用済みになったら殺すというなら切迫感も出るけど単に雇われで、施設に入れるつもりなだけというのでは何のためにFBI使って追ってるのかわからん。




もう一度言いますが、設定の改変自体は大いにやればいいけど、それが裏目に出ては何の意味もない。



頑張ってる部分もあるんですけどね。個々人の力量は素晴らしい。ハニガン役のキャメロン・ディアスは歌唱もキャラ造形も最高だった。





Little Girls Little Girlsこれ観た時に思ったけどやっぱり幻覚だよね、このハニガンは薬もやってるみたいだし。

こういう解釈なら悪くない、最初に観た時はちょっと気持ち悪かったけど(笑)



文盲設定は謎だったなあ。ちなみに製作者は伏線のつもりで入れたかもしれないけど、学校通ってるのにか?って思う。ルーズベルトの丸暗記はできたとしてそれどうやって読んだんだという疑問も。


サンディは…本当に空気だったね。
楽曲でかなり空気だったのが単なるポップスになってたYou're Never Fully Dressed Without a Smile。あれ好きなんだけどなあ…。個々のアレンジはそこまで悪くないんですが、あそこまでポップス多いとちょっとね。




Maybeだけは凄く良かった。これは手放しで褒められる。



いきおい評価厳しめになったなあ…見て損はしないだろうけど狙おうと思えば150点狙える素材で55点という感じ。

カテゴリ: DVD・CD・映画

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