01« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.»03

サンバ 



#2 「サンバ」
エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ監督、オマール・シー主演
1/10 新宿武蔵野館

この両監督と相性いいみたい。

最強のふたりを観てかなり気に入ったところに、タイムリーに両監督と、ドリスを演じたオマール・シーのコンビの新作と聞いて行ってきました。良かった!


レストランの皿洗いからやっと料理人として採用されることになったサンバ(オマール・シー)。いよいよ滞在許可証がもらえると役所を訪れたら、すでに不許可の通知を郵送済と言われ、収容所送りに。移民ボランティア団体のもとに助けを求めたサンバは、そこでアリス(シャルロット・ゲンズブール)と出会います。年配の女性と法学生がメインの団体で、アリスは少し浮いていました。そして、思いもよらない出来事をきっかけに二人の仲は急接近して……。


最強のふたりと共通する点として、ヤマがかなり少ない。だから多分映画に山と谷と落ちを期待する人には絶対的に向かないかも。


私は大いに気に入りました。このサンバという主人公の造形がいい。

ちぐはぐで、デコボコで、欠落している同士が埋め合うそんな関係。肝はそのデコボコの部分で、移民というだけで懸命に生きようとはしているものの社会から切り離されてしまう、けど底抜けに明るい、いいところばかりじゃないけど真っ直ぐなサンバと、キャリアを重ねてきたものの燃え尽き症候群&鬱で心に傷を負ったアリスがお互いに補っていくという様が描かれます。

ポーチに溢れんばかりの薬を飲んでも、救われる為にボランティア活動をしようがセラピーに参加しようが心の安定を得られないアリス。はたまたいつか湖のほとりの家をと思っても不法移民として不安定で理不尽な生活を余儀なくされ、さりとて国に帰ろうにも母親からは仕送りの催促の嵐。

ひとつひとつは何ていうことはない描写の連続なんですが、逃げようと思っても逃げること能わずという人間同士でも身を寄せ合って生きること、決して世間的に正しいことばかりじゃないけどそれでも生きていくことの素晴らしさというものを描いた作品です。



今これを書いている現在(1/12)フランスでは5日前に起きた「シャルリー・エブド」誌襲撃テロ事件へのカウンターデモに370万人が参加するという一大騒動になっています(ソース時点では100万だが現在の仏内務省発表)。劇中の自称ブラジル人のウィルソン(タハール・ラヒム)も、この犯人と同じアルジェリア出身という設定でした。


人口の1/10の600万人がイスラム教徒で、パピエ(正規の滞在許可証、労働許可証)を持たない人がどんどん流入してくる。そして非正規が正規に上がることは決して無いという社会問題は、少なくとも私達の生活の中ではいまいちリアリティが薄く感じられますが、明日の日本の姿のようにも思えてなりません。

カテゴリ: DVD・CD・映画

tb: --    cm: --