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ブラックジャック創作秘話5 

ブラック・ジャック創作(秘)話~手塚治虫の仕事場から~ 5 (少年チャンピオン・コミックスエクストラ)ブラック・ジャック創作(秘)話~手塚治虫の仕事場から~ 5 (少年チャンピオン・コミックスエクストラ)
(2014/08/08)
宮崎 克

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手塚るみ子(手塚治虫長女)、手塚千以子(次女)、荒木勝時(秋田書店制作部)、鈴木信一(歯科医師、元手塚プロアシスタント)、赤塚不二夫・小林鉦明(少年画報社、秋田書店編集者)、伴俊夫(手塚プロアシスタント、手塚治虫物語著者)


5巻に渡ったブラックジャック創作秘話もこれにて完結。不定期連載だったそうですが、まとめ方としては完璧に近いのではないかと。

天才の娘と呼ばれることの苦悩。
モノとしての雑誌を作る製作
寄り道したが結局手塚になれず、医師の道を目指した者
ギャグの神様から見た漫画の神様
手塚治虫の真逆を行く「最後の男」


なかなか日の当たることのない漫画製作の部門にもちゃんと光を当てたのは偉い。考えてみればあれだけ押せ押せなら当然印刷にも迷惑がかかるわけで。しかしこれ大手ならまだいいけど中小下請けで予定全部狂うとしたら大変だよ。

しかし、一番面白かったのはやはり最後の伴俊夫氏のエピソード。
手塚治虫物語、傑作でしたがだいぶ前に読んだのでもう一度読んでみたいですね。

漫画家の厳しいところはそこですよね。絵が巧くてもストーリーテリング能力が無ければいけない。過去巻でもアシスタントに「早く辞めてください(デビューしろ)」と言っていた手塚先生のところに出戻りし、ベテランとなる伴氏。漫画家としては「ダメ」だったわけですが、そんな伴氏に病床の手塚先生が喝を入れるわけです。

なんでしょうね、このままならない感じというのは。





死の3年前の密着取材でも、必ず主線は自身で引くようにしていた手塚先生。
バーゲンセールするほどアイディアに余裕があって「面白い仕事はやらなきゃいけない」んなら、もっと作画は人に任せてぐっすり寝ればよかったのに。睡眠時間削った手塚先生や藤本先生が早世して、我孫子先生がご健在のところを見ても、他の話を聞いても睡眠時間は寿命に深く関係していると思わざるを得ません。

で、その反面ストーリーテリング能力に欠けている人というのもいるわけで。今なら原作付きも山のようにありますし、表に出てるのは漫画家だけでも実質編集者が原作書くなんてのも珍しくないわけですし。

そのミスマッチの結果…かはたまた天才を早く手元に呼びたかった身勝手な神様の仕業かはわかりませんが、グリンゴや火の鳥大地編や完結として構想されてた(であろう)現代編などは世界中の誰の目にも届かなくなってしまいました。



壮大なモノづくり列伝の最後に、天才の下に居た凡才の、負け組ワンスアゲイン物語を持ってきたというのはよかったです。読んだ方ならわかるあの見開きゴマは感動しました。

皆本気でしたね。本気って面白いということです。




ちなみに作画の吉本浩二氏はもうすぐ勝新太郎物語を描かれるそうで。これも是非欲しいです。




ああそうだ、手塚治虫が涙した「白い背景」の話を聞いて、おそらく全員が全員ある方のお名前を思い出すでしょう。
戒めの為なのか単行本でも修正せず、今年ようやく38年ぶりに修正が叶ったというあのコマ。言うても見流せるというか、そういう表現なのかなと思えなくもない程度なんですが、いますよねジャンプで一人…単行本で修正しさえすればいいと思ってる人。好きなので悪口言いたくはないですが。

先代の三遊亭円楽師匠が自身最後の笑点出演のオンエアをリアルタイムで見て、直後に感想を問われると「年を取り過ぎた、テレビに失礼だ」と仰ったのが印象に残ってますが、それを見たスタジオの極楽加藤氏が「そんなの感じたこと無い」と言った時に「畏れが足りない」と思ったものです。同じことを富樫先生に感じました。

カテゴリ: 読書、漫画

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